京大 おどろきのウイルス学講義 (PHP新書)
宮沢孝幸さん著
昨年夏に耳読しました。
しかし、耳読で読むと、どうも頭をすり抜けてしまうので、なんとなくはわかったけど定着していなかったので、目で再読しました。
この本は、基本的なことを理解するのにとても役立ちました。
DNAやリボソームって知っているようでいてよくわからなかったのですが、細胞の仕組がようやくわかりました。
新型コロナに絞っていない、ウイルス全体のお話なので、ウイルス学初学者にオススメです。
【そもそもウィルスとはなんですか?】
遺伝情報を包んだ粒子です。
30から400ナノメートル(1ミリの3万分の1〜2500分の1の大きさ)
DNA型とRNA型があります。
そして、エンベロープウィルスと、ノンエンベロープウィルスがあります。
新型コロナウィルスは、エンベロープウィルスなので、有機溶媒に弱く、エタノールなどが有効です。
ノンエンベロープウィルスにはノロウィルスなどがあります。そういや、ノロウィルスはアルコール消毒が効かないって言われてますね。
【細胞の基本的な仕組み】
私たちの体はタンパク質でできています。
リボソーム(タンパク質工場)がタンパク質を作っています。
タンパク質を作るために、設計図が必要です。
その設計図を「DNA」(デオキシリボ核酸)と呼んでいます。
DNAは、細胞の核の中にあります。
(核、理科の実験でやった気がする!)
核は図書館のようなものです。
図書館(核)の中の設計図(DNA)は何十万冊もあり、持ち出せないので、「RNA」と言う手順書にします。
その手順書を持ち出す役割をしているのが「mRNA」。
タンパク質の合成が終わると、mRNAはすぐ消えます。
【新型コロナウイルスとは?】
新型コロナウィルスは、1本鎖のRNA (プラス鎖)です。
以前流行した、SARSコロナウィルスの亜種。
(ちなみに、SARSは宿主の死去とともに消え去りました)
新型コロナウィルスが流行っているので、新型コロナウィルスについて特にここに書きましたが、
ウィルスには、有用ウィルスもあって、がん抑制をする主要溶解性ウィルスが作られたり、生物の進化に貢献するものがあったりします。
【感想】
ウイルスって病原性だとばかり思っていたけれど、病原性でないものがあったり、生物の進化に貢献していたり、知らなかったことがたくさんありました。
まさにおどろきのウイルス学です。